一見同じに見えるメガネやコンタクトのレンズですが、度数や素材以外にも様々な種類があります。
メガネのレンズは、設計によって「球面レンズ」「非球面レンズ」の2種類に分類されます。
レンズのタイプは見た目だけではなく、メガネの機能や重量も左右する要素です。
今回は、その中でも「非球面レンズ」について、メガネの田中スタッフが解説。
そもそもどんなものなのか、どんなメリット・デメリットがあるのかなどをご紹介いたします。
非球面レンズとは
そもそも、「非球面レンズ」とは、いったい何なのでしょうか。
非球面レンズは単焦点レンズの一種で、その名の通りレンズの片面または両面がカーブしていないレンズのことです。
メガネ用のレンズは、「単焦点レンズ」と「累進レンズ」に分けられます。
そして、「単焦点レンズ」には「球面レンズ」「非球面レンズ」「両面非球面レンズ」の3種類があります。
従来主流だった球面レンズは、レンズの両面が球のようにカーブしている形状でした。
非球面レンズは急なカーブを減らすことで、視界の歪みを減らし、同時に軽さ・見た目の良さも実現しています。
特徴は薄さとフラットさ
先にも触れたように、非球面レンズはカーブが浅いため、球面レンズよりも薄くフラットになっているのが特徴です。
また、薄くなることで軽量で長時間かけても疲れにくいのが非球面レンズのメリット。
特に度数が強く、分厚いレンズが必要な方ほど違いを実感しやすいです。
非球面レンズは3種類
非球面レンズには、3種類の形状があります。
・外面非球面レンズ: 表側が非球面のレンズ
・内面非球面レンズ: 裏側が非球面のレンズ
・両面非球面レンズ: 表・裏ともに非球面のレンズ
それぞれその名称通り、外面・内面・両面がフラットになっているレンズのことです。
外面非球面レンズは、非球面レンズの中でももっとも一般的に使われています。
レンズ外面が平らになっていることで、周辺部のぼやけ・歪みが少ないのが特徴です。
内面非球面レンズは、外面非球面レンズの進化版。
周辺部の見え方がさらに自然になっているので、近視・乱視の方に最適です。
最後に両面非球面レンズは、着用者からの見え方だけではなく、他の人からの見られ方も自然なのが特徴。
外側からメガネを通して見ても、顔の歪みが少ないです。
また、3つの形状の中でももっとも薄くて軽いので、度の強いメガネや乱視用メガネに適しています。
非球面レンズのメリット
現在ではすっかり主流となっている非球面レンズですが、そのメリットは大きく分けて3つです。
・見え方のズレが少ない
・レンズが薄い・軽い
・目が疲れにくい
それぞれについて、詳しく解説していきます。
見え方のズレが少ない
まず、非球面レンズ最大のメリットは、収差が少ない分「見え方のズレが少ない」という点です。
物を拡大して見せるというレンズの性質上、どこかにカーブをつけなければならないのですが、カーブの角度がきついほど、中心部と周辺部でレンズの厚みに差が出てしまいます。
この厚みの差が、歪みやズレが生じる原因なのです。
非球面レンズは中心部と周辺部の厚みの差が少ないため、周辺部の歪みを少なく抑えられます。
レンズ越しの目も小さく見えない
非球面レンズはレンズ越しの輪郭の段差も少ないので、メガネを通して目が小さく見えるといったことが起こりにくいです。
周りから見たとき、メガネを着用していない時との目の大きさに変化がないので、見た目が気になる方にとっては嬉しい効果です。
レンズを薄く・軽くできる
非球面レンズは同じ度数の球面レンズと比べて、レンズ自体が薄くて軽いということもメリットです。
軽いので、長時間かけていても疲れにくいです。
特に、非球面レンズの中でも「両面非球面レンズ」のメガネをかけると、軽さを顕著に感じられます。
メガネの重さが気になっている、また、疲れやすいという方におすすめです。
目が疲れにくい
非球面レンズは視界がクリアで広いので、目が疲れにくいです。
そもそも、メガネのレンズは中心部の見え方が最適で、周りに行くほど歪んでしまいます。
歪んだ視界は目や脳が自動的に修正して処理しますが、この修正の労力が「疲れ」に繋がります。
非球面レンズは歪みが少ないぶん正常に見える範囲が広いため、長時間かけていても疲れにくいです。
特に度数が高い人ほど、このメリットを実感しやすいです。
デメリットは高価なところ
一般的に、非球面レンズは球面レンズよりも値段が高くなりがちです。
これはレンズの特性上やむを得ないことですが、デメリットだと言えるでしょう。
また、非球面レンズの中でも価格差があり、「外面非球面レンズ」や「内面非球面レンズ」などの片面非球面レンズよりも、両面非球面レンズの方がより高額です。
非球面レンズがおすすめな人
最後に、非球面レンズがおすすめなのはどんな人なのか解説します。
非球面レンズは全体的に光学性能が球面レンズより高いのですが、下で挙げるような方は特にメリットを実感しやすいですよ。
メガネの度数が高い人
メガネのレンズは、度数が高くなるほど分厚くなり、その分重みが増します。
また、全体が分厚いということは、中心部と周辺部の厚みの差も大きいということで、度数が高いほど見え方のズレも大きくなります。
ですから、非球面レンズの優れた光学性能は、度数が高い方ほど大きなメリットになるのです。
目を小さく見せたくない人
非球面レンズは自分から見た視界だけではなく、人から見られた時の見え方も自然です。
そのため、メガネを通した時に歪みがなく、目が小さく見えにくいのもメリットの一つ。
また、メガネ越しに顔の輪郭ががたついて見えることも、非球面レンズなら差を最小限にすることができます。
目が小さいのがコンプレックスの方や、人からの見られ方にこだわりたい方にも非球面レンズがおすすめです。
乱視の強い人
乱視用レンズは単純な近視・遠視用のレンズよりも見え方の歪みが大きいです。
そのため、長時間乱視用メガネをかけ続けていると、目が疲れたり、具合が悪くなってしまう人も。
そのため、視界が広くクリアな非球面レンズは乱視の方にも最適。
特に乱視の強い方は、メリットを強く感じるでしょう。
まとめ
非球面レンズの最大のメリットは、薄くて軽いこと。
これまで球面レンズを使っていた方も、非球面レンズを使ってみたいと思われたのではないでしょうか。
ただし、レンズの合う・合わないはおひとりおひとりで異なるので、まずは眼科や店舗でよく相談することをおすすめいたします。
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